捜査関係者によると、盗み出された金品は、大半が現金だったとみられる。元行員は盗難に遭った貸金庫の顧客が来店した際などに、一時的に別の貸金庫から現金を移していたという。顧客が被害に気づくのを遅らせようとした疑いがある。
元行員は移した現金の動きを詳細にメモに残していた。警視庁はこのメモも入手しており、窃盗容疑で捜査している。元行員は盗んだ現金を外国為替証拠金取引(FX)などの投資に流用したとみられる。
三菱UFJ銀行などによると、元行員は支店の営業課長などを務め、貸金庫業務をほぼ1人で担当していたとされる。顧客が鍵を紛失した場合などに備えて支店で保管する「予備鍵」の管理責任を担い、貸金庫の鍵を無断で開けていたとみられる。
元行員は2020年4月~24年10月、勤務先の練馬と玉川の2支店の貸金庫から、顧客の現金や貴金属などを繰り返し盗んでいたとされる。24年11月に懲戒解雇処分となった。盗難被害の総額は少なくとも約60人の顧客の時価十数億円程度で、今後増える可能性もあるという。
同行は再発防止策として、予備鍵の対策を強化する予定。今月中に各拠点ではなく本部で一括管理する体制に移行するとともに、複数の人員でチェックする体制を整備する方針を示している。【遠藤龍】
毎日新聞 2025/1/8 06:00
https://mainichi.jp/articles/20250107/k00/00m/040/170000c
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