受験シーズンの本格化を前に、東京都新宿区の大学受験予備校「ニチガク」の教室が4日、突然閉鎖された。運営企業の日本学力振興会が資金繰りに行き詰まり、破産する見通しとなったためだ。受験生の胸中を思うとやるせない限りだが、実は近年、経営面が取り沙汰される予備校や学習塾が増えている。「受難」の背景とは。(森本智之)
◆40年の指導実績あったが、2024年は代表が2度交代
新宿駅から徒歩で10分弱。年季の入った小ぶりなビルがひしめく一角に、ニチガクはあった。7日昼下がりに訪ねると、ガラス扉は閉じられ、室内はひっそりとした様子。扉には2枚の紙が張り出されていた。4日付の1枚は、代理人弁護士名で「債務の支払いに窮する状態」と教室閉鎖の理由を説明。もう1枚は生徒に向けて「ご迷惑をおかけ致します」と結んでいた。
日本学力振興会が運営する大学受験予備校「ニチガク」=7日、東京都新宿区で(森本智之撮影)
信用調査会社の東京商工リサーチなどによると、ニチガクは約40年の指導実績があり、生徒数は一時、200人を超えたが、少子化などの影響で直近は130人まで減少。2024年は2度も代表が交代したという。
◆少子化の影響で生徒の奪い合いが
目を引くのは、同社の6日の発表も。予備校や学習塾の2024年の倒産は速報値で53件(前年比17.7%増)に上り、2000年以降での過去最多を2年連続で更新。2024年の負債総額は117億4400万円(同827.6%増)に上った。情報部の増田和史氏は「持続化給付金などコロナ禍の企業支援が打ち切られたことによる反動で、どの業種も倒産は増えている。それに加え、少子化の影響による生徒の奪い合いが一層、激しくなっている」という。
◆「スタサプ」や「ネット予備校」の台頭
特に近年は、スマートフォンなどで講義が見られるリクルート関連企業の「スタディサプリ」、ネット予備校と呼ばれるオンライン上のサービスが台頭…(以下有料版で,残り 768 文字)
東京新聞 2025年1月8日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/377875
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Source: 投資ちゃんねる – 株・FX・仮想通貨・投資2chまとめ